パット=ハッチンス/作 乾侑美子/やく 偕成社
1987年

おかあさんが クッキーを やきました。ビクトリアとサムは、六つずつ わけることに しました。
そこへ トムとハナが やってきて、四にんは 三つずつ クッキーを たべることに しました。
そこへ ピーターとおとうとが やってきて、六にんは 二つずつ クッキーを たべることに しました。
そこへ さらに・・・
12個のクッキーに12人の子ども、となったところへピンポーンとまたお客さん。みんなは思わず顔を見合わせます。お母さんが食べちゃったらと提案しますが、サムはそれを断り、ドアを開けます。するとそこには、たくさんの特製クッキーを持って来てくれたおばあちゃんが立っていました。
千客万来のお宅です。子どもが、2人ずつ増える間にも、おばあちゃんのクッキーは、特別という言葉が繰り返されていたのですが、最後にそのおいしいクッキーがたっぷりもたらされます。
算数的な要素もあるのですが、それを抜きにしても、とても楽しい絵本です。子どもは、クッキーをたくさん食べたいのが当然ですが、ビクトリアとサムの姉弟は、みんなと分け合うことを選びます。ちょっとずつ食べれるクッキーの数が減っていくと、読んでいるこちらは、あれれ大丈夫かなあと心配になります。そして、とうとう1人1個になったところへさらに鳴るチャイムの音。ここでは、二度鳴り、二度目はみんなが黙っているところへチャイムの音だけが鳴り響きます。どうする?という声に出ないみんなの気持ちが、ページに表現されています。
おはなし会でも、よく読むのですが、この二度目のピンポーンがクライマックスで、たっぷり間をとってから、次のページへ進みます。最後は、おばあちゃんがクッキーを持って来てくれてよかったね!となりますが、やっぱり、子どもの絵本は最後が一安心、で終わるのがお約束ですね。ハッチンスは、本当に上手い絵本作家です。