長新太/さく 佼成出版社
1990年

やまおくにある ふかいみずうみ。
ひとりのおとこが もう10ねんも かいじゅうを まっていた。
あるよる、ついに かいじゅうが でてきた。
まんがつに とどきそうな かいじゅう。 いったい どんな すがただろうか。
おとこが ドキドキしていると、 もういっぽん あしが でてきた。
ボコ ボコ ボン
ナンセンスも極まった絵本です。ひっそりとした山奥の湖。ネッシーのようなかいじゅうを期待して、10年もじっと待っていた男。(いや、それもどうなんだろうと思うけど)そこへある満月の晩、とうとうかいじゅうが出現します。ぬーっと頭をもたげるかいじゅう。しかし!これは足なのです。かいじゅうはネッシータイプでは全然なくて、ヒト型だったのです!(しかも足のみ)
男がわー、何だ?と驚くところへくる一文が、「これはね、みずうみにすんでいる おおおとこが シンクロナイズド・スイミングを しているところなの。」そして、響き渡る大男の吐く息の音。がっかりする男。どう受け止めればよいのでしょう!そして現実を否定した男は、その後もネッシーのようなかいじゅうをじーっと待つのでした。
あおぺんは、この絵本が好きで、秋の中秋の名月の時期になると読みます。ちょっと、違うかな?という意識はあるのですが、月の絵本だと思うのですよね。夜の山なので、青い世界の中で繰り広げられる珍妙な光景。子どものうちに、せめて想像力くらいは無限に自由になっていいんだよ、というのはまあ建前で。ただただ、想像力ってすごいなーと思うのです。
でも、実際山奥で大男のふっとい足のシンクロは、見たくないです。