ジェラルド・ローズ/文・絵 ふしみみさを/訳 岩波書店
2011年

むかし、インドの ジャングルに としとって やせた トラが いました。
トラは 王さまの きゅうでんを のぞいては、いいなあ なかまに はいりたいなあと おもっていました。
ある日、めしつかいが きゅうでんの にわに じゅうたんを ほしていました。その一まいは、トラの 毛です。トラは ひらめいて、すばやく いれかわりました。
ひろまに しかれた トラを ほんものの トラとは だれも おもいません。トラは、たのしく すごし、だれも いなくなると、ごちそうを たいらげ、こうちゃを のみました。
ところが、だんだん トラは ふっくらして 毛なみが よくなってきました。このままでは、気づかれて しまいます。どうしたら よいのでしょう。
トラは運よく、どろぼうから王さまを守って認められます。それからは、しあわせに暮らしましたとさ。という昔話のような楽しいお話しです。
実はこれまで、この絵本を読む機会がありませんでした。ただ、よく借りられる本で、しかも一度見たら忘れられないタイトルです。原題はあっさり゛THE TIGER-SKIN RUG”。翻訳のタイトルがすばらしい。ずーっと、気になっていました。だって、じゅうたんになりたいトラなんて、いるわけない!でも、いたんですね。年とって、ガリガリで、ボロボロの古じゅうたんみたいなトラが。
ねこ飼いとしては、ねこ科の不幸はつらいです。ガリガリなんて、なんてかわいそう!と読み始めましたが、じゅうたんとして埃取りでたたかれても、人間のおしりにしかれても、このボロボロのトラは幸せそう。どうやら、ちょっと変わったタイプのトラなんですね。でも、この老いたトラが、最後は幸せに暮らせてよかったです。好きな紅茶も飲み放題ですしね。