くろだかおる/作 せなけいこ/絵 ひかりのくに
1997年

あつい なつ。おとこが いどで、すいかを ひやすことにした。
よなかに ゆうれいが すいかを みつけ、たべてしまった。
それを みつけた おとこは、ゆうれいに ばつとして、かを とるように いった。
ところてんの どうぐを かりた ゆうれいは、にゅるっと おしだされると、たくさんに ふえ、かを とりはじめた。
江戸時代のおはなし、と思います。なにしろ男のしゃべる言葉が江戸っ子。すいかを食べたゆうれいをせめる、男の言葉が「やいやい、なにしやがる」です。そんな調子で責められたゆうれい、出来心を泣いてあやまります。蚊をたくさんとることで、許してもらい、ゆうれいがお礼にもってきたのが、お化け組合でつくったすいか。水色です。これを食べるとヒンヤリ涼しくなるという。
ゆうれいとすいかという変わった組み合わせが面白いのと、語り口調がいい感じなので、毎年図書館員に大人気。そもそも、「おばけ」も「すいか」も夏のおはなし会の王道です。せなけいこさんの絵というのも、王道感をいや増します。
でも、楽しい分、読みの練習は必須です。江戸っ子のまくしたてるような話し方、ゆうれいの情けなくはかない口調、蚊をたくさんとる「ぱちんぱちん」をどう読むか、なかなかレベルは高いです。その分、納得いくように読めれば、おはなし会でのウケは確実。未読の方はぜひこの夏、チャレンジしてください。
でも、青いすいかは食べたくないな~と、毎年思うのです。なんかミントのようにスースーしそうで。あおぺん、ミント苦手です。