カーラ・カスキン/文 マーク・シーモント/絵
なかがわちひろ/訳 あすなろ書房
2012年

きんようびの ゆうがた。105にんの ひとが、おおきなまちの あ
ちこちの いえで、しごとに でかける よういを はじめます。
105にんのうち、 おとこのひとが 92にん、おんなのひとは 13にん。
シャワーを あびたり、ひげを そったりして、それぞれ しろいシャツや くろい ふくを きます。 ある ひとりは、フリルの シャツを きています。
コートを きると、いろんな かたちの かばんを もって、いえを でます。
105人は、町のあちこちから音楽ホールを目指して集まります。104人は、オーケストラのメンバー。1人は指揮者です。彼らは今夜、ホールで心をひとつにし、美しい音楽を奏でるのです。
少し小さめの絵本で、黄色がかった紙で作られたこの絵本。オーケストラの団員達が、それぞれ思い思いに準備し、舞台にあがり演奏するまでを描いています。その日のルーティーンや、服装、楽器は様々ですが、目的はひとつです。
あおぺんは、学生時代吹奏楽をやっていたので、この絵本を最初に見た時、「へえ、これは面白い」と思いました。ちびっこは、そもそもオーケストラを知らなかったりするので、ちょっと大人向け絵本と言えるかもしれませんが、ひとりひとりがそれぞれの準備を思い思いにして、集合するという過程は楽しめるのではないでしょうか。
作家の柳田邦男さんが、子どもの時、子育ての時、自分が老いた時の3回が絵本を読んでほしい時だと言っています。絵本を子どもだけのものにするのは、もったいない。大人が自分のために、絵本をもっと楽しんでほしいと思います。子ども向けの本は、よけいなことがあまり書き込まれず、大人の本よりストレートです。中でも絵本は、もっと直接心に伝わると思います。この絵本は、そんな大人に響く絵本のひとつだと思います。
最初の翻訳は、すえもりブックスから1995年に『オーケストラの105人』というタイトルで出ていました。でも、それだと読む前から105にんの仕事がわかってしまうので、新しいあすなろ書房バージョンでタイトルが変わったのは、よかったんじゃないかなと思っています。