『ごろごろ にゃーん』


長新太/作・画 福音館書店

1976年

ひこうきは ごろごろ、ねこは にゃーんと ないています

ごろごろ にゃーん と、ひこうきは とんでいきます


海の上の大きな飛行機に、ねこたちが乗り込みます。飛行機は、ちょっと魚に似た形です。海上では、飛行機から魚釣り、くじらやUFO、長い蛇の上を飛び、ビルの群れ、犬の群れの上をごろごろにゃーんと飛んでいきます。ジャンボジェット機の下も飛びます。人間に捕まりそうになったけど、無事ごろごろにゃーん ただいまー。

最初にねこたちが飛行機に乗り込むページと、最後に帰って来たページ以外、文章は全て「ごろごろ にゃーん ごろごろ にゃーんと ひこうきは とんでいきます」だけ。絵で全てが表現されています。その絵も水色と黄色と緑だけ。でもよく見ると、飛行機の丸窓からねこがじーっとのぞいていて、釣った魚を食べていたりします。犬の群れからは、一匹の勇気ある犬が飛行機のおしりに食いついていて、途中落っことされています。たくさんのドラマがありながらも、とにかく飛行機は、ごろごろにゃーんと飛ぶのみです。

長先生の、理屈じゃない絵本。でも、何と言っても面白い。こういう面白さというのは、絵本じゃないと出来ない表現の面白さだと思います。絵からたくさんのことが読み取れて、楽しめる。字がきちんと読めない子だって、楽しめます。細かいところは見えないかもしれませんが、おはなし会で読むのも面白いです。気になった子は、ぜひ借りて自分でじっくり見てもらうとして、こんな面白い本もあるんだよと紹介できる機会でもあります。

あおぺんがよく紹介している福音館書店の絵本は、もともと月刊「こどものとも」から単行本化すると以前書いたことがありますが、この規格は縦長と横長タイプの二種類。長先生は、この横長タイプの特徴を最大限生かして、飛行機を飛ばしています。表紙を広げると飛行機の全体もわかります。画面いっぱいです。

そして、改めて気づきました。このねこたち眉毛ある!なんか、変な表情だなーと前から思っていたのですが、ねこに眉毛!中に出てくる犬にはないので、わざわざ眉毛のあるねこなんですね、長先生。この妙な無表情と、黄色と青の二色で構成された(緑もその結果)不思議な色合いの世界で、より一層のみょーちきりんな世界が構成されているのかも。奥が深いです!


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