五味太郎/作 福音館書店
1977年

きんぎょが にげた。 (すいそうから)
どこに にげた。(カーテンのみずたまもように)
また きんぎょが にげた。
こんどは どこに にげた。(はちうえのおはなに)
ピンクのきんぎょが、まん丸金魚鉢からにげ出して、ほよほよ飛んでいきます。カーテンのピンクの水玉、鉢植えのピンクのお花、瓶のなかのキャンディ、おもちゃばこ。どんどんにげます。一体どこに行きたいのかな?
ほよほよ飛んでいる時点で、きんぎょじゃないんじゃないの?と思うのですが、五味先生のきんぎょは、鉢の中でおとなしくなんかしていないのです。空中だって飛ぶし、擬態だってするのです。だって、一匹で泳いでいるのはつまらないから。
紹介の必要もないほどの、有名絵本です。あおぺんの中では、図書館で出会って衝撃を受けた絵本作家は、長新太さんとこの五味太郎さん。双璧です。五味さんは、長先生より絵がかわいいです。シルエットがくっきりしていて、色が小さい子にもわかりやすいと感じます。この『きんぎょがにげた』は、赤ちゃんおはなし会でも定番です。ありがたいことに、大型絵本があるのです。でも、実際赤ちゃんにはまだちょっと、探し絵は難しいかもしれません。でも、この楽しさは伝わるのではないかと思うのです。ただ、最もこの絵本を楽しめるのは、本の後ろにも書いてあるように、2~4歳のお子さんでしょう。大人に読んでもらいながら、「ここ!」とにげたきんぎょを指さすのを楽しめるのは、そのくらいの年齢でしょうから。
この絵本の40年後、姉妹品『ひよこはにげます』(福音館書店)が出版されました。