瀬田貞二/作 林明子/絵 福音館書店
1979年
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あさ、まみこは 「おかあさん、きょうは なんのひだか、しってるの?しーらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ」と うたって がっこうに いってしまいました。
おかあさんは かいだんの 三だんめから あかいひもを むすんだ てがみを みつけました。
「ケーキのはこを ごらんなさい」
ケーキのはこの つぎは、「かさたてのなか」 でした。
まみこの隠した手紙を探すお母さん。絵本の間や、庭の金魚の池の中(!)、なぞなぞの手紙もありました。お仕事中のお父さんも巻き込んで、ようやくたどりつくと、そこにはまみこからの贈り物がありました。でも、手紙にはまだ秘密が隠れていました。今日は何の日か?9つの手紙の文字をつなげるとわかるしくみでした。
とても手が込んでいます。手紙の隠し場所がとても独創的です。なぞなぞの手紙の時など、お母さんは思わずあきらめてしまいそうになります。運よく最後までたどりつけますが、まみこはこのしかけにとても時間をかけたんだろうなーと感心します。実は今日は、お父さんとお母さんの結婚記念日です。誕生日なんかにくらべて、結婚記念日はあまり祝われていなかったのでしょうか。まみこがこんなに手をかけてお祝いしたいと思ったわけですから。
でも、お祝いする側のまみこも、とってもすてきな贈り物をもらいます。茶色のふわふわの・・・・。そのページの絵がとてもかわいくて、ポストカードを飾っておきたいくらいです。
この手紙の絵本も、とても手が込んでいて、楽しくすてきな絵本です。さすがの林明子さんの絵ですしね。これからの時代、こういう専業主婦のお母さんは減っていってしまうでしょう。子ども時代に両親と豊な時間が持てるって、とても幸せで貴重なことなんですね。