『おじいさんならできる』


フィービ・ギルマン/作・絵 芦田ルリ/訳 福音館書店

1998年

ヨゼフが あかちゃんのとき、 おじいさんが すてきな ブランケットを ぬってくれました。

けれども、ヨゼフが おおきくなると、ブランケットは だんだん ふるくなりました。 すてましょうと いう おかあさんに ヨゼフは、「おじいちゃんなら なんとかしてくれるよ」と 言います。

おじいさんは ブランケットを よーく ながめると、はさみできって、 はりで ちくちく すーいと ぬうと すてきな ジャケットに してくれました。

けれど、ヨゼフが おおきくなると ジャケットは ふるくなって・・・


ヨゼフのおじいさんは、どうやら仕立て屋さんのようです。ヨゼフが大きくなるにつれて、反対にどんどん小さく古くなっていく元のブランケットをリメイクして、ジャケットからベストへ、ベストからネクタイへ、ネクタイからハンカチへというように、孫の期待にこたえてくれます。「おじいさんならできる」という孫の信頼と、それに答えるおじいさんの腕前がとても暖かい物語です。

このヨゼフと両親は、おじいさんの家の2階に住んでいるようで、建物の横からの透視図で家が描かれています。この家の床下にはねずみの一家が住んでいて、おじいさんがちょきちょきとはさみで切った布の切れ端が落ちていき、ねずみ一家の家がどんどん華やかになっていくのも、とても楽しいです。語られているメインのストーリー以外にも、絵本の世界の中では様々なことが展開されているようです。

子どもとブランケットというのは、チャーリーブラウンにしても永遠のテーマなんでしょうか。でも、こんな素敵なおじいさんがいたら、子どもにはとてもありがたい味方ですね。

この「おじいさんの毛布」や「コート」のテーマは、他にも違う形で絵本になったり、お話しになったりしているので、またご紹介したいです。


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