『なすおばけ』


新井悦子/文 大野八生/絵 教育画劇

2013年 12場面

むかしむかし。むらの はずれの おおきな まつのきのまえを むらびとが とおりかかると、ドーンと おおきな おとがした。

みたことも くったことも ないほど おおきな なすが、みちを ふさいでいた。

つぎのよる、おなじばしょで、むらびとが ぶつかったのは、みたことも くったことも ないほど ながーい ふとーい きゅうり。


松の木の前を通りかかると、巨大なすや、巨大きゅうり、そして巨大かぼちゃがドーンと出てきて、「またげるもんなら、またいでみろー」と道をふさぐ。そこへ侍がやって来て、なすやきゅうりを笑いながらどすどすけりとばし、退治してくれるという。「アッハッハ!笑いどっさり!おいしい日本のたべもの民話」シリーズの紙芝居です。

え、おばけじゃないんだ、笑いどっさりシリーズなんだ。というゆかいな紙芝居です。出てくる侍も刀を持ってるし、相手は野菜のおばけだし、てっきり切るのかと思いきや、蹴るんかい!というゆかいさ。このくらいの怖さが(ほぼ怖くない)、おはなし会で読むのには適しています。でも一応おばけなので、「またげるもんなら、またいでみろー」のところは、おどろおどろしく読みます。

かわいいおばけでもなく、本気でこわいおばけでもなく、ほどほどの紙芝居をさがすのは意外に難しいです。でも、やっぱり夏には読みたいし。と思ってあおぺんが見つけたのが、この紙芝居です。大人からすると、つっこみどころ満載で、確かに笑える民話ですね。


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