『ふとっちょねこ』


ジャック・ケント/さく まえざわあきえ/やく 朔北社

2001年

おばあさんが おかゆを つくっているとき、おつかいを おもいだし ねこに「おかゆを みていてちょうだいな」といって、でかけました。

ねこは、おかゆを ぜんぶ たべると、なべも たべました。

そして、かえってきた おばあさんも たべてしまいました。

さんぽに でた まるまる ふとった ねこは、みちで あった スコホッテントッドさんも たべてしまいました。


デンマーク民話。いろんなモノを食べて、どんどん巨大化していくねこ。口のきき方もふてぶてしく、「なにをたべたんだい?」とびっくりして質問する人に対して「おかゆとなべとばあさんをたべた。スコホッテントッドもたべた。こんどはおまえを、たべてやる」と言い、出会った人を次々食べます。ねこが食べたと語るモノは、どんどん長くなっていきます。

昔話としてはとてもよく出来ていて、「繰り返し」という王道パターンが、何回も行われます。読み聞かせの際は、このねこが「たべた」と言って増えて行くモノを、かまずになめらかにスラスラと読むのがポイントです。あおぺん、この本が大好きで、何回もお話し会で読んでいますが、子どもがあきないように、この部分は結構早口で読みます。ほぼ暗記しました。大変ですが、この極悪非道のねこが、信じられないくらい大きくなっていくのが、子ども達に大ウケです。

でも、個人としては、ものすごく気になるところがあります。そもそも、おばあさんの家で飼われていたっぽいねこが、どうしてある時突然、何でもかんでも食べる大食らい妖怪ねこになってしまったのか?答えのない疑問です。日常に潜む恐怖。怖ろしすぎます。ホラーです。昔話とは理不尽です。


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