アメリカ・インディアン民話
秋野和子/再話 秋野亥左牟/画 福音館書店
1982年

アメリカインディアンの人たちが、家族でテントに住んでいたころ。
ある村に、おばあさんがやって来て、一晩の宿を頼みますが、みんなに断られます。
ようやく泊めてくれた若夫婦の家で、おばあさんは見たことのないパンを焼いてくれました。「とうもろこしと いうもんだよ」
おいしいパンの秘密を知りたくなった若者が、おばあさんの様子を隠れてうかがうと、おばあさんが自分のももをかき始め、そこからとうもろこしの粒がぽろぽろと落ちてきました。
若者に見られたことを知ったおばあさんは、自分を平原で焼くようにと言いました。
あちこち衝撃的な民話です。おばあさんが服をめくり太ももをかくと、ポロポロとうもろこしの粒が床に落ちる場面も「ひょ~」っとなりますし、秘密を知られたおばあさんが、若者に平原で草を焼き、その灰の上をおばあさんをひきずり回し(そうしろと言われたので)、焼いてしまうというお話しも「ひ~っ」と思います。そこからとうもろこしが生えて、インディアンの人々にとって、とうもろこしはとても大切なものになったという由来なのですが、言葉にできません。
日本にもウケモチノカミのように、自分の体から食物を出し、殺されることで種をもたらす神話がありますが、この『とうもろこしおばあさん』も同じような民話なのだと思います。昔話や神話は時として、現代人であるわたしたちの想像を超えていきますが、だからといって、お話しを変えてしまうのはそこに連綿と続いてきた文化を否定するものな気がします。
絵本という形態ではありますが、子どもが読むとびっくりすることがあるかもしれません。小学校中学年くらいになったら読んでもらいたいな、と思います。でも、子どもって意外に、大人が心配するより平気なものですよね。と自分をかえりみて思います。