武田美穂/作・絵 ポプラ社
1995年

ますだけんいち 5さい。5にん きょうだいの 4ばんめ。
はやく おにいちゃんたち みたいに しょうがっこうへ いきたい。
ランドセルは、あかいほうが かっこいいって いったら、おねえちゃんが ランドセルを くれるって やくそくしてくれた。
おねえちゃんが ちゅうがくせいになって、ランドセルを ぼくに くれたけど、 ぼくは まだ ようちえんだから、いえで しょって あそぶ。
はやく しょうがっこうへ いきたい。
みどりのかいじゅうますだくんの正体は、姉兄兄妹の4番目の子でした。上の3人が小学校へ行っている間、妹のめんどうをみる係。小学生にあこがれています。ランドセルはその象徴。でも黒はあまり好きじゃなくて、赤がいいんです。レッドはかっこいいから。やさしいお姉ちゃんは、それを聞くと、卒業したらランドセルをあげるねって言ってくれます。えー、赤ぁ?なんて言わない優しい出来たお姉ちゃんです。その後無事ランドセルを譲ってもらってから、さらに1年。ますだくんは小学校入学を待ちます。ようやく入学式。赤いランドセルをしょったますだくんは、泣いてばっかりいる女の子のとなりの席になり、友達になりました。
やっぱりますだくんは、いい子でした。泣き虫の女の子みほちゃんとは、完全にすれ違っていますが、ますだくんは友達として世話をやいていたのです。それになんといっても、ランドセル。男の子は黒!と完全に決まっていた時代に、なんの気負いも疎外感もなく、自分の好きな赤いランドセルを当然のように背負っていくまっすぐさ。今でこそ色んな色のあるランドセルですが、当時はありえないことでした。考えてみれば、学校で決められているわけでもないのに。日本の暗黙のジェンダーバイアスですね。でも、ますだくんには、そんなことはどうでもよくて、レッドがかっこいいんです。そのさらりとした描かれ方がいいですね。