佐野洋子/作・絵 講談社 1992年
(銀河社 1974年)

とても りっぱな かさを もっている おじさん。
いつも かさを もっていますが、あめが ふっても さしません。
おおぶりのひは でかけません。
かさが ぬれるからです。
すこし あめが ふってきた あるひ、ちいさな おとこのこと おんなのこが、かさを さして ポンポロロン ピッチャンチャンと うたいながら あるいきます。
それをみた おじさんは、じぶんも ためしてみたくなりました。
佐野さんの描く人たちは、どこかひねくれていて、どこかまっすぐです。おじさんも、かさが大事なあまりかさをささないという、素直なんだかひねくれているんだかわからない人です。そして十分満足していました。でもある日、子どもが実に楽しそうにかさをさしているのを見て、ふとどんな感じなのか知りたくなります。思い切って雨の下、かさを広げてみると、本当にかさには雨があたってポンポロロンやピッチャンチャンと音をたてます。おじさんは新たな楽しみを見つけたのです。かさをさして家まで帰ると、「立派に」ぬれているかさをみてうっとりするのでした。
かさというと、松谷みよ子さんと中谷千代子さんの絵本「ちいさいももちゃん あめこんこん」を思い出します。こちらは、新しいかさを買ってもらってさすのが待ち遠しくて、うそっこの雨のなかかさをさすお話しですが、子どもは当然そうですよね。かさが大事すぎてささないなんて、実に大人な感じがします。子どもの頃は、大人ってちゃんとしていると思っていましたが、意外に大人はちゃんとしていなくて、そんな大人もいいよねと伝わればいいなと思います。
大型絵本もあるのですが、子どもたちはこの絵本を読んでもらったら、どんな感想をもつのでしょうか。知りたいなー。