ヤン・ユッテ/作・絵 西村由美/訳 徳間書店
2021年
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ゆきのもりを さんぽしていた おばあさんが、トラと であいました。
トラは、おばあさんのにおいを かぐと ゴロゴロ いいました。
「うちに くるかい?」
トラは おばあさんと すむことに なりました。
まちのひとも トラになれた あるひ、トラの しましまが なくなってきました。ぐあいが わるそうです。
じゅういさんが ホームシックだというので、おばあさんは トラを ふねにのせ、みなみのくにへ つれていきました。
南の島で元気になったトラと別れたおばあさんは、一人、トラのことばかり考えて暮らしていました。でも、路地で小さなねこと会い、一緒に暮らすことにします。小さくゴロゴロいうねこに、おばあさんはトラという名前をつけました。
オランダの絵本です。冬の森にトラがいて、しかも人懐っこいということは、サーカスからでも逃げたのかな?と思うのですが、このトラ本当にかわいくて(いや、大きいトラですが)、おばあさんにスリスリしたりゴロゴロいって、ねこみたいです。手触りもよくてフワフワ。ねこ飼いのちょっとした夢のようです。
それだけに、トラのために別れを決意したおばあさんが気の毒でたまらなかったのですが、小さなねことの出会いに、読んでいるこちらも救われました。絵本って、本当に必要なことがシンプルに描かれています。ねこを「トラ」と呼びながらトラを思い出しつつ、少しずつねこの存在も大きくなっていくのだろうな、と今二代目ねこを育てているあおぺんは思いました。