西村繁男/さく 福音館書店
1980年

上野駅から金沢駅まで走る夜行列車に乗ります。
人でいっぱいの中央改札を抜け、ホームへ。
A寝台、B寝台、椅子席があります。
電車はたくさんの人を乗せて、走ります。
お客さんが起きたころ、外は雪が積もっていました。
文字のない絵本。少し前にご紹介した『おふろやさん』と同じく昭和な絵本です。この絵本が出版された1980年は、まだ国鉄時代。当然きっぷを買って電車に乗ります。1ページ目で出てくるお父さん、お母さん、男の子、赤ちゃんの4人家族は、B寝台に乗り込みます。B寝台は、上下2段になっていてカーテンで通路と仕切られています。他に鈍行列車の椅子のように直角の椅子席と、倒せるシートの席もあります。みんな、思い思いにお菓子を食べ、色んな格好で眠ります。帰省客、スキー客、細かく見るとひとりひとりの人生の一コマが見えてきます。4人家族は、どうやらおじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに来たようです。夜九時半に出た列車は朝7時、冬の金沢に到着です。改札は駅員さんがきっぷを回収。昔懐かしい駅員さんの持つ切符ばさみのカチャカチャいう音が思い出されます。
今の子どもたちには、不思議な世界かもしれません。ですが、人々のようすからは、その状況が想像できます。絵本に書いてあることだけではなく、それ以上のことを考え楽しんでみることで、想像力も養われるのかもしれません。でも、絵本を読むことで一番大切なことは、「楽しむ」ということにつきる!とあおぺんは思います。