『くわずにょうぼう』


稲田和子/再話 赤羽末吉/画 福音館書店

1977年

むかし、うんと よくばりの おとこが、やまで「よっく はたらいて めしを くわない にょうぼうが ほしいなあ」と、いった。

そのばん、やまから ついてきた むすめが、「めしを くわずに はたらくから、にょうぼうに してくんろ」と いったので、にょうぼうにした。

あるひ、おとこが くらを あけてみると、こめだわらが ごっそり へっていた。

そこで、おとこが てんじょうに かくれて、のぞいていると・・・


女房は、大きな釜に米をざーっと入れて炊くと、はずした雨戸に握り飯をずらりと並べ、頭のてっぺん(!)にある大きな口で、握り飯を全部食べてしまう。女房は、おにばばだったのです。男は、おけに入れられ、おにばばの頭にかつがれると、山に連れて行かれた。その途中なんとか、おけから逃げ出した男は、おにばばの苦手な菖蒲に隠れて難を逃れたという昔話。

あおぺんが子どもの頃、「まんが日本むかしばなし」をテレビで必ず見ていました。何回かに一回怖い昔話があったのですが、「くわずにょうぼう」は、とにかく女房が髪の毛をかき分けると、頭のてっぺんに大きな口が、がばっと開くのがものすごく印象的でした。しかも、その口がぐわっぐわっと握り飯を片っ端から食うのです。昔話って怖ろしい。

そもそもこの男、いかにも欲張りでお馬鹿さんな顔をして、飯も食わずに働く女房が欲しいなーなどと、とんでもないことを望んでいる阿呆ですが、もうこの大きな「頭口」の前には、男に同情して一緒にブルブル震えてしまいます。この絵本では、女房はおにばばとなっていますが、昔話の類話によっては、やまんばもあったと思います。いいですね、やまんば。あおぺんは、やまんばが大好きです。あ、会いたくはないんですけど。

五月五日は、菖蒲の節句ともいわれ、菖蒲を屋根につるして魔除けにしたり、薬湯を飲んだりするするそうです。なので、春になると、この絵本を思い出します。この絵本のおにばばは、菖蒲が苦手で、最後はよもぎの毒で死んでしまいます。子どもは、ほっと一安心の結末です。安心して読んでください。あおぺんとしては、大型絵本が出版されたら、ぜひ小学生を震え上がらせたいなーと、思っています。


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