『うさぎのぱんとぶたのぱん』


小沢正/作 西川おさむ/絵 小峰書店

1992年

きつねベーカリーは、どうぶつの かたちの ぱんを うっています。こぶたの ころすけは、いつも ぶたぱん。ほかの ぱんは たべたことが ありません。

そこで きょうは、うさぎぱんを かいました。ところが、うさぎぱんを たべた ころすけ、うさぎに なってしまったのです。ころすけは、たのしくて ぴょんぴょこ はねて、うちへ かえりました。

おかあさんは、うさぎが ころちゃんとは 気づきません。ころすけは、くすくす わらってしまいそうに なりました。

そのあと、きつねベーカリーで ぶたぱんを かった ころすけは、ぶたに もどって いえに かえりました。


ぶたは、ぶたぱんを たべるのよと 言っていたお母さんは、このぱんのひみつを知っているのでしょうか。このきつねベーカリーでは、らいおんぱん、ぞうぱん、らくだぱんも売っています。ぱんを食べるだけで、他の動物に変身できるのに、ころすけ以外は誰も試したことがないのでしょうか。謎です。そして、このぱんはとても美味しいらしいですよ。

この小学校低学年向けの物語の本には、もう一篇収録されていて、「うさぎのぱんとにんげんぱん」というこちらは、猟師につかまったうさぎを助けるために、ともだちのうさぎのはなぴくが、にんげんぱんを食べるお話しです。つまり、人間もこのベーカリーのぱんを食べたら、なんにでもなれちゃうのです。一体なにぱんを食べて、なにをするか。うーん、考えてしまいます。

作者の小沢正さんも、絵の西川おさむさんも、昔から活躍されている方々です。


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