『くつなおしの店』


アリスン・アトリー/さく 松野正子/やく こみねゆら/え

福音館書店

2000年

300年続くバッキンガムシャーの通りに並ぶ小さな家や店の中、いちばん小さい店があり、そこはニコラスじいさんと孫のジャックのくつなおしの店でした。

ニコラスじいさんは幸運にめぐまれるまで、何年もまずしいくらしをしていました。町の機械づくりのブーツとの競争に負けて、小さな店はみむきもされなくなったのです。

ジャックがある時、となりの家の足の悪いポリー・アンにやわらかい靴をプレゼントしたいと、じいさんにたのみました。じいさんは、町の市で赤い一枚のモロッコ革を買うと、ぎりぎり革を使い切って一足のへやばきを作りました。そして、のこったちっちゃなはぎれで、とてもすてきな人形のくつを作りました。

人形のくつは、売れませんでしたが、ある時店からなくなってしまいました。そして、部屋のすみには一枚の金貨がありました。


とても素直なやさしいジャックと、気難しいけれどもきちんとした仕事をするニコラスじいさん。こんな二人のいる靴屋には、やっぱり小人がやって来ます。でもこの小人は、くつを作ってくれるのではなく、はいていってしまうのですが。やわらかい不思議な赤いへやばきのおかげで、すっかり足の治ったポリー・アンが、くつを返しにやって来て、そのへやばきでもっと人形のくつを作ることを提案します。できたくつは10足。やってきた小人も10人。おかげで、ふたりはお金に困らなくなるのです。

アトリーの描く小人は、いたずら好きの精霊のような小人です。いつの間にか誰かが親切にも仕事を片付けてくれた時、「小人さんがでた!」と言っているのですが、日本のわらじ文化では残念ながら靴屋の小人はいないのでしょうね。でも、機械で作られた靴屋にはやっぱり小人は出ないと思うので、手仕事の価値は大事にしてきたいです。そして、たとえ絶版になってもいい本はいいのです。すみません。購入はできないのですが。

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