石黒渼子・梶山俊夫/再話 梶山俊夫/絵 福音館書店
1993年

ばあさんが やまで くものすから あかとんぼを たすけてやったと。
つぎのひ、じいさんと やまで だごを たべようとしたら、ころころ ころがって、かわを こえて くらい あなに はいってしまったと。
あなのなかには あかおにが いて、「だごを つくってくれ」と いって、ばあさんに ふしぎな しゃもじを わたした。
すこしの こなを しゃもじで まぜると、おなべ いっぱいになったと。
ばあさんの つくった だごは うまく、あつまってきた おにどもは、ぺろりと たべて、 あしたも つくれと いったと。
「だご」とはだんごのこと。鬼の穴で翌日もだごを作らされたおばあさんが、おじいさんを思って涙を流していると、そこへ助けた赤とんぼがやってきて、逃げるヒントをくれます。その言葉に従って、翌日鬼の穴を抜け出したおばあさん。ところが、気づいた鬼どもが追ってきて、ぐわっぐわっと川の水を飲んで、おばあさんを捕まえようとします。おばあさんの乗る舟を押すのは、なんと赤とんぼ達。どんどん、鬼に迫られますが、持ち出したしゃもじのおかげで助かります。
昔話には、ものすごくバリエーションがあって驚きますが、ナントとんぼの恩返しもあるのです。この絵本で一番あおぺんが好きなところは、とんぼの押す舟に乗るおばあさんと、川の水をぐわっぐわっと飲む鬼のシーン。梶山さんの描く鬼が川の水を飲む様子が本当にぐわっぐわっという感じです。赤とんぼも負けずに真っ赤になってがんばります。すごい迫力!昔話絵本はたくさんありますが、やっぱり絵というものは大事です。ただ、かわいいからというだけではなく、チャンスがあれば、ぜひ絵をみくらべて、その世界観で選んでみてください。