『もりのなか』


マリー・ホール・エッツ/ぶん・え まさきるりこ/やく 福音館書店

1980年

ぼくが かみの ぼうしを かぶり、らっぱをもって、

もりへ、さんぽに いきました。

すると、らっぱの おとで めを さました らいおんが、

さんぽに ついてきました。

二ひきの ぞうの こどもも、二ひきの くまも、おやこの かんがるーも

いちれつに ならんで もりのなかを あるいていきます。


らいおんは髪をとかして、ぞうはセーターとくつをはいて、くまはぴーなっつとじゃむをもって、みんなちょっとおすましして、もりのなかを歩いていきます。途中で無口なとりやうさぎも加わって、おやつを食べたり、遊んだり。最後は、かくれんぼのおにになったぼくを一人残して、みんないつの間にかいなくなっています。そこへ迎えにきたおとうさんが、「またこんどまで まっててくれるよ」と言ってくれて、肩車で家に帰るのです。1963年に出版されたこの絵本のなかには、色がありません。黒一色で描かれた味のある絵とちょっと不思議なストーリーが、じんわりとしみこんでくる絵本なのです。大人になってからこの本に出合ったあおぺんも、タイトルをみるだけで、未だにほっこりします。おうちでゆっくり時間をとって、親子で読むのがおすすめです。絵本を聞けるようになったばかりの小さなお子さんの方が、きっと、この世界に入りやすいのではないでしょうか。

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